#1 はじまりました!

2014.04.16

「雨天中止ナイン」現場レポートはじまりました。まずは脚本の上田が書きます。

…の前に、ざっと簡単に、この番組がはじまった経緯を書かせていただきます。といっても、ざっと簡単には書けないほどの、紆余曲折もじつはあったんですが。

元々は、僕と、テレビ東京のディレクター・魚田くんの二人会議からスタートしました。と、魚田「くん」と書くのは、じつは僕やヨーロッパ企画メンバーの、大学時代の演劇サークルの後輩にあたる人だからで、そんな魚田くんと、いつかなんか一緒にやりたいね、と言いあって、企画を立てては日の目をみず、を3年ほど繰り返していたら、ふとしたタイミングで機が熟したといいますか潮が満ちたといいますか、この企画がこのキャスティングで、番組にしてもらえることになった、というような経緯です。

それには、石田くんとかもめんたるさんの共演やら、魚田くんがおぎやはぎさんと元々お仕事していたりやら、おぎやはぎさんのイベントに僕が呼んでもらったりやら、おぎやはぎさんとかもめんたるさんが「たまたま」ラジオでご一緒されたりやら、いろんな偶然やご縁がタペストリーのように折り重なって、「雨天中止ナイン」というひとつのことに結実した、という感動でした。本当にありがたいことです。そして今「タペストリー」を念のため調べてみたら、思いもよらない布の画像が出てきました。もっとパッチワーク的な感じかと思っていました。なのでタペストリーのようではないかもしれませんが、なにせそういう導きがあった、ということです。

…と、まだ何も始まっていないうちから、あまり奇跡がっていても仕方ないので、まずは初めて出演者みんなで集まった、第1回目の読み合わせと立ち稽古の模様から、お伝えしたいと思います。

とにかくこの日までに、と第1話の台本を何とか仕上げて迎えた3月24日。テレビ東京さんの会議室2部屋をお借りして、一室には舞台の仮セットと小道具が、もう一室には衣装のユニフォームが並べられ、スタッフ一同、出演者の到着をじりじりと待っておりました。スタッフ一同といいましても、今回はたいへん小規模な人数で作っておりますので、僕と魚田くんと数名、という規模感ですが。

20時ちかく、まずはヨーロッパ企画メンバー(酒井・角田・永野・本多・西村)が、つづいて矢作さんが、そしてかもめんたるのお2人が、そして最後には、矢作さんと同じタイミングで同じ現場をでたのになぜか15分遅れて小木さんが到着され、初々しく自己紹介。そして衣装合わせを滞りなく済ませたあと、いざ(僕にとって)緊張の読み合わせがはじまりました。

机を囲み、各々台本に初めて目を通し、まずは僕が、最初のト書きを読みます。と、このあたりまではやや空気もぎこちなく感じましたが(僕の緊張で)、読み合わせが進むにつれ、雰囲気も和らいでいき、互いのセリフが徐々にほどけ、溶け合って聴こえだしました(僕のリラックスで)。そして読了後、「なるほど、ようやくどういうことをやるのか分かった」という矢作さんの嬉しいお言葉をいただき、「なにはともあれ、立ち稽古してみよう」と、休憩もなく、シーン1から順番に立ち稽古していくことに。

ここからは、もう愉悦としか言いようのない呼吸のよさで、三者はじめての共演ということを忘れてしまうほど、ふざけと脱線がリハの段階から絡まりあい、途中などはお腹を抱えて笑わせていただきました。1点、槇尾さんが主役っぽくセリフを読んでしまった箇所があって、そこがにわかに取り沙汰された以外は、言うことなしの初日だったと思います。それにしても皆さんさすがの対応力で、台本が、目の前でみるみる面白くなっていく、という魔法のような体験をしました。「雨天中止ナイン」は幸せな番組となるでしょう。これからの収録が楽しみです。そしてのっけから長く書きすぎました。

 

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